苦言 2005 9 27
ニュースによると、
昨日(26日)午後、大阪証券取引所の1部、2部市場において、
一部の銘柄で、株価情報の配信が遅れるという、システム障害が発生しました。
一方、ヘラクレス市場では、売りと買いの気配値を1本にした結果、
頻発していたシステム障害が、減少しました。
そこで、休止していた新規上場申請を再開するということになりました。
しかし、ここで、苦言を呈したいと思います。
ただでさえ、値動きが激しい新規公開株で、
気配値が1本では、かなり危険ではないか。
これに似たマーケットメイク銘柄では、値動きが激しく、
「上がりだしたら、上がり続け、下がりだしたら、下がり続ける」という、
一方通行の相場になりがちです。
マーケットメイク銘柄では、気配値が1本で、板情報がないようなものだからです。
東証のように、気配値が5本もありますと、
相場の急激な変動にブレーキがかかるのです。
株価が急上昇したら、板情報の上の方に、分厚い「売り板」が見えてきた。
ここで、株価は、減速し、ブレーキがかかるのです。
同じく、急落したら、板情報の下の方に、分厚い「買い板」が見えてきた。
そこで、急落のスピードは、減速するのです。
気配値が5本もあるということは、
相場の急激な変動を抑える機能があるのです。
こうしたことを理解せず、
単にシステム障害が減少したから、新規上場申請を再開するというのでは、
証券取引所は、相場というものを知らないのかと思いたくなります。
少なくとも、気配値が3本になってから、新規上場申請を再開すべきです。
証券取引所は、自己中心的に見えます。
自分の利益やメンツさえ維持できれば、投資家は、どうなってもいい。
そういうふうに見えます。
何かトラブルがあっても、陳謝して終わり。
誰も責任を取らず、取っても軽い責任で済ませ、抜本的な改革をせず。
だから、忘れたころに、またトラブルが発生する。
もちろん、大証だけでなく、東証にも、似たような体質があると思います。
「証券取引所は、お役所以上に、お役所的」というのは、
市場関係者の一致した意見です。
それしても、こんな証券取引所を監督する機関は、ないのか。